渉外判例研究会の研究指針

2002年10月7日                                

渉外判例研究会

 

I           目的

 

渉外判例研究会の目的は、ジュリスト161号66頁(1958)の「まえがき」(江川英文教授)に記載されているとおり、ひろく渉外事件に関する判例をとりあげ、これらを理論的な体系に整序することにある。したがって、個々の判例をとりあげる際には、関連する判例学説を渉猟し、しかるべく体系的な位置づけをしつつ、理論的な分析が加えられることが求められる。

 

II          メンバー及び運営

 

1         渉外判例研究会のメンバーは、国際私法、国際取引法、国際法等の国際関係法の研究者(大学院修士課程在学以上)またはそれと同等の学識経験を有する者とする。これらの者は、形式的な入会手続を要することなく、研究会に随時出席することができる。メンバーのうち、年1回以上、研究会に出席するものを「出席メンバー」とする。なお、メンバーの要件を具備しない者が特定のテーマについての関心から出席を希望する場合には、幹事の了解を得て、オブザーバーとして出席をすることができる。

2         出席メンバーは、この文書に定める職務を行わせるため、1名または2名の幹事を選任するものとする。幹事の選任は、幹事または3名以上の出席メンバーからの発議によって実施する。幹事の選任の際には、少なくとも選任を行う直前の研究会において、その旨を予告しなければならない。幹事の選任は、研究会開催日に行い、その回の出席者の過半数の賛成を持って決する。幹事の任期は特に設けない。

3         出席メンバーは、年1回を目途として、積極的に報告を担当するものとする。

4         報告者および報告対象判決は、メンバーからの報告対象判決を特定した申し出(原則として、幹事宛のe-mailによる、または、幹事からのメンバーへの依頼をもとに、最終的には幹事の責任において調整の上で決定する。

5         4とは別に、関西の国際私法研究会幹事を通じた申し出により、調整の上、関西の国際私法研究会において報告することもあり得るものとする。その場合、報告・原稿の提出については、本研究方針がそのまま適用されるものとする。

 

III         報告

 

研究会の席上での報告は、上記Iの目的をふまえ、相当な準備の上にしなければならない。できれば、レジュメ等により、出席者の理解を助け、議論を活発にする工夫が求められる。

 

IV         原稿の提出

 

1         研究会終了後、原稿をまとめ、これを公表することは、研究成果を公共の財産とし、広く批判を仰ぎ、この分野の研究の進展に資するために必要不可欠のことであり、また、研究会及びその参加者に対する義務でもある。その際、研究会での議論を経た原稿である以上、単に個人的な見解に終始することなく、研究会において異なる見解が有力に示され、それを記載することが適当と判断される場合には、執筆者個人の見解との区別を明確にしつつ、そのことに触れることが望ましい。

2         報告者は報告後、1ヶ月以内に、原則として、e-mailにWordまたはテキスト・ファイル形式で保存された原稿を添付する形で、幹事宛に送付する(ジュリスト編集部には直接送付しないこと)。これと異なる方法による原稿の送付については個別に幹事と相談すること。なお、執筆要領については、ジュリスト編集部作成の「ジュリスト『渉外判例研究』へのご執筆の要領」を参照のこと。

3         大学院生等若手の報告者(執筆者)の場合には、原稿提出に先立ち、指導教授等による原稿のチェックを受けることが望ましい。そのようなチェックを受けたときには、原稿提出に当たって、その旨を付記することとする。

 

V         審査

 

幹事は、研究会の名前を冠してジュリストに掲載される成果物が上記Iの目的に沿うものとするため、提出された原稿を精読し、必要があれば、しかるべきレフリーにその原稿の審査を委託し、その判断を仰ぐものとする。レフリー制の運用の詳細については、別にこれを定める。

 

VI         国際私法フォーラム

 

1         渉外判例研究会開催に合わせ、判例研究以外の形での国際私法に関する研究につき、報告・議論をする場として、国際私法フォーラムを開催する。

2         渉外判例研究会幹事は、国際私法フォーラムの幹事を兼任するものとする。

3         メンバーおよびオブザーバーについては、IIの1を準用する。

4         報告者およびテーマの決定については、IIの4を準用する。

5         報告者による論文等の形での研究成果の公表はすべて当該報告者の責任により、国際私法フォーラムでの議論について言及するか否かも当該報告者に一任される。

 

VII        研究会開催日

 

渉外判例研究会および国際私法フォーラムは、原則として、下記の日程・時間割で行う。

 

         1月第3土曜日

         3月第3土曜日

         6月第3土曜日

         9月第3土曜日

         11月第3土曜日

それぞれ、           

10:30-12:30:国際私法フォーラム(30分から45分程度報告、そして議論)

12:30-13:30:適宜、昼食

13:30-18:00:渉外判例研究会(3件、各約1時間20分)